FC2ブログ

2020-04

もがみふれあい音楽祭2

控え室に入ってまもなく、私達出演者を訪ねていらして下さった方がいらっしゃいました。この方こそ、今回の音楽祭を実現して下さった町の教育長様でした。正確に言いますと、数日前に職を辞されたので元教育長と申し上げるべきでしょう。元教育長は「これは私がずっと実現したいと思っていた事なんです。」と静かな、けれど力強い言葉で私達に仰いました。

この「もがみふれあい音楽祭」は夜、主に町民の方々を対象に開かれるのですが、同じ日の午前中に、ほぼ同じ内容で、この町の全小、中学生を集めた音楽鑑賞会が開かれるのです。子供達に、地元だけでなく外部からの演奏家も招き、良い音楽を聴かせたい、という元教育長の熱い想いは、直球の様に私達の心に投げ込まれました。そのお気持ちを大切に受け止め、一所懸命、私達の創って来た作品をお見せしたいと思いました。

私達の演目は「笠地蔵」、山形に伝わるあたたかいお話です。でもそれを普通に演じるのでは大多福一座ではない。創意工夫をモットーに、オリジナルミュージカルに自分達の手で仕上げて行きます。どんな風に作品を創って行くかちょっとお話しましょうか?!

まず一人が台本を書きます。此処に配役も書いてあります。私の場合、今回はCD等一切使わないので、作曲とピアノ演奏を、との事でした。そして、作品の中のどこでどういう音楽が何曲必要、何分で仕上げてという指示が来ます。この時、先に詞が出来ている場合もあるし、イメージで私が先に曲を作って、誰かが歌詞をつける場合もあります。
また、歌だけでなく、情景を音のイメージで表現する箇所もあちこちにあります。例えば今回の「笠地蔵」では、お爺さんが町に出て笠を売るシーンとか、売れ残った笠を持ったお爺さんが雪のしんしんと降る中、家に向かう途中、お地蔵様に出会うシーンとか。

そしてメンバーは、セリフや出来上がった私の曲の歌の練習をして来て合わせます。
その時、ダンスや振り付けも同時に進めて行きます。今回は語り部もいるので、彼女が喋っている間、何小節位の音楽が必要か等も合わせながらやって行きます。

と言っても、メンバーは別の本番も抱えていたりとそれぞれ都合があり、全員揃っての練習が十分に出来ないので、来れる日にそれぞれの箇所を進めて、最後には全部通して時間内に作品が仕上がるようにチェック。と、同時に衣装合わせや小道具作りも進めて行きます。面白いんですよ、なにしろ大掛かりのミュージカルではなく、少人数の一座ですから、なるべくお金はかけず、あるものは十分利用して使う・・・ちなみに種を明かすと、今回お地蔵様役は、頭のつるつるを出す為に、私の昔使っていたグレーの光沢のある水泳帽を被っておりました(笑)

今回は、例えば風の吹く音や、朝の鳥のさえずりまで、ものまね上手なメンバーがやって、
特別な効果音はなく、あとはピアノ。道具も段ボールを使ったりと手作り。それは見に来てくれる小、中学生等にも、ミュージカルがこんな風にも身近にあるもので創れるという事を伝えたいというメンバーの想いがありました。

大多福一座とは今まで何度も一緒に作品を創って来ましたが、未だに再演がない!それが良いかどうかはともかく、「新しいものを創りたい!」の気持ちにあふれているのですね。

さて、練習も回を重ね、ともかくもすべて準備はして来ました・・・
でも、そこまでやって来ても・・・違うんです。本番会場は全く別。広く大きく、動きも想像していたようには行かない。それによって、時には昨日まで創り上げてきた振り付けを全部壊して変える事だってあるのです!

会場はどんな様子なのか?不安な気持ちで現場に行くと・・・
体育館の舞台と客席の配置の関係は、縦長というより横広だったので、危惧していた程、最後部の座席が舞台から遠くなる感じではありませんでした。それでも7~800人の生徒が入ると考えると、振り付けも変えて、動作も大きくしないと、後ろに座る予定の中学生は良く見えないのではないかという話になりました。

それで、他の出演者がリハーサルをやっている間も、別室で振り付けの相談と手直し。
夕食が終わってからも練習と、夜遅く寝る直前まで練って練って追い込んでいました!
しかもそれが吉と出るかどうかも何一つわからない。すべてが初演なのですから。

ただ、私達はとても感動しました。普通、体育館で何か催し物をするとしても、せいぜいそこに備え付けられた電気をつけたり消したりする程度で明るさを調整する程度ですが、今回プロの照明、音響さん達が入っていたのです。例えば雪のシーンで青白いような照明が入るのと、ないのではどれだけ雰囲気が変わるでしょう。ミュージカルではピンマイクをつけてセリフを言い、歌いますが、突然、非常にヴォリュームのある声で歌い始めるなどという時に、きちんとこの音量を調整してくれる人がいなかったらどうなるでしょう。
正直な話、ここまでするのには大変な費用もかかる事です。でもそこまでして下さっている。本当に肝に銘じてこの有り難い場を大事にしなければいけないと思いました。

メディアテーク5


もうすぐ始まります
だんだんお客様が集まっていらっしゃいました奥にあるのが、「雪に包まれる被災地」
私はここで自作曲「神戸レクイエム」を演奏しました。

メディアテーク4

エスキース
今回のイベントの主催者は宮城県在住の加川広重氏。巨大水彩画「雪に包まれる被災地」を描いた加川氏は自らが中心となって、音楽家や詩人等に、この絵の前でのパフォーマンスを呼びかけました。今回の企画、チラシやポスターの制作、当日までの準備、司会まですべてこなして下さいました。心より感謝申し上げます。
 
これは巨大水彩画を制作する前の小さな絵です。

メディアテーク3

造形を感じる会場
会場内部。ユニークです。この会場の上の階は図書館だそうで、打楽器の使用は禁止との事でした。

せんだいメディアテーク2

プログラム&ポスター
今回の3日間にわたるイベントのポスター(右側)
左側には12枚のパネルが見えると思いますが左側から縦に1列に17日、真ん中が18日、右側が19日分の演目です。つまり1日4演目、午後1時から5時頃までやっておりました。
 
仙台フィルハーモニーのメンバー、クリスタルボウルという、様々な大きさのガラス容器の縁を指でなぞって演奏するというものや、自作の詩の朗読、合唱団、盛岡在住の女性シンガーソングライター、ベネズエランハープ、ブルースハープと、様々な演奏や朗読がありました。
 
私は「長旅のいしずえ」という演目に3日間連続で、あとは初日最後に、青森のソプラニストと出演しました。

«  | ホーム |  »

プロフィール

yuripeko

Author:yuripeko
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (43)
雑感 (33)
音楽 (23)
東日本大震災 (26)
映画 (1)
山 (21)
スポーツ (23)
行事 (8)
旅 (22)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる