FC2ブログ

2012-12

伊万里6


そして長い登り窯。
 
佐賀藩は外様の藩。という事は、関ヶ原の戦い以前から徳川幕府に仕えた譜代大名に比べ、幕府との関係が密な藩ではないのですね。
佐賀藩の鍋島家は秀吉の命で朝鮮に出兵し、陶工を連れ帰って焼き物が盛んになって行ったという。
 
鍋島焼きは御用窯、つまり幕府への献上品や公家の贈答品や日常品として焼かれた物で、高い技術で描かれた赤、黄、緑の色の絵付けが特徴だ。
 
職人の技術は代々受け継がれ、門外不出。他の藩に抜け出そうとしたら首切りの刑になったというのだから恐ろしい。
 
そんな話は、ベネチアングラスの製法が絶対秘密で、聞いた事がある。
 
そういう質の良い焼き物を献上する事で、外様藩でありながら、幕府から一目置かれていたようだし、一方では、オランダ東インド会社との貿易で富を得て行く。初日に見た伊万里津(港)付近も、当時はどんなに賑わっていただろうと想像する。
 
そして現在。
買うつもりで来た訳ではないものの、一応何軒かお店を老舗を含め覗いてみた。が、特に老舗の伝統的手法のものは大変高額だ。一般人が行けばそれは当たり前な事である。ただ金額だけではなく、デザインだって必ずしも古典的なものが、現代人の誰も彼もに好まれているという訳でもない。
 
…しかしそうなると、作り手はこれからどうやって伝統と関わって行くのか?
 
現代的で使いやすく、そこそこお手頃な価格ならば、売れるかもしれないけれど本来の伝統って何なんだ?
 
じゃ、技術を駆使して、自分の想像力を余すところなく掻き立てた素晴らしい作品を作ったとしても、御用窯というような強力なバックアップなしでは、どうやって生計が立てられるのだろうか?
 
モーツァルトの時代ではないけれど、パトロンなしでは、深い芸術性の高い作品は生まれにくいかもしれない。ほどほどの時間的、経済的余裕がないと日常雑器は出来ても、芸術的な作品、そういう器は無理でしょうねぇ…といろいろ考えさせられた旅でした。
スポンサーサイト



«  | ホーム |  »

プロフィール

yuripeko

Author:yuripeko
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (43)
雑感 (33)
音楽 (23)
東日本大震災 (26)
映画 (1)
山 (21)
スポーツ (23)
行事 (8)
旅 (22)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる